【Vol.310】信じるだけで上手く行く

301_2
 本当に、これだけの猜疑心を持つ人がいるものかと、逆に感心するくらいのことがありました。一方で、結果としてその人に騙されている人が、その人を信じて疑わないのです。
 両方の人を見ている私は、事の善し悪しはともかく、信じることの方が幸せで、しかも物事は上手く行くのではないかと思ったのでした。

 猜疑心の塊とも言える人は、誰の話も聞こうとはしませんし、いつも自分が正しく、他の人の意見やアイデアを否定するどころか、悪党呼ばわりするくらい、自分を正当化しようとするのです。
 いつもチヤホヤされることが好きで、他人を褒めようなんて、爪の先ほども無いようです。一体、この人の人生はどのようなことなのか、過去に、どんなことがあっただろうかと言いたくなるくらい、人を寄せ付けないその猜疑心は、異常を通り越して、不思議なくらい徹底しているのです。

 さて、その猜疑心の強い人に騙された人ですが、自分が騙されたと薄々分っている感じもします。しかし、その人はそうかもしれないが、自分はこの仕事を信じているから大丈夫と、とにかく前向きで、寛容を絵に描いたように落ち着き払っているのです。
 私も変な立場になってしまいました。成り行きで、そこのところを調整する役目になってしまったのです。
 それも、私の調整次第で結果は大きく変わるのですから、責任重大と言うか、気持ちが暗くなる仕事です。

 こんな時、皆さんだったらどのようにお考えでしょうか。大袈裟に言えば、自分の気分次第で決まる調整ごとですから、間違えばこの人をさらに傷つける結果になるかも知れません。

 結論を言いますと、この仕事を信じるという、その人の立場で考えることに致しました。要するに、この仕事を信じているというその人を信じて、その人を中心に事業を進めようということです。
 善かれと思って信じた事業、その人にとって今の結果は騙されたような状態ですが、事業そのものがおかしくなった訳ではありません。ただ、猜疑心が異常に強い、変な人が居ただけと思い、これからはその人に関わらないようにすればいいだけです。

 そうして、事業に関わる人の役割を組み替えることに致しました。改めて、信じた人に色々なことをお聞きしますと、騙した人の過去が色々と見えてきます。まさに、いつも自分中心で、結果、いつも孤立して上手く行かなくなる、その連続であったということでした。
 信じるということは、こうしてみると、それが一番大事なことだと分かります。信じ合う者がしっかりと手を組めば、いくら困難があっても乗り越えられるのです。
 
 今回の事で、私は肝に銘じて決めました。

 物事は、信じるだけで上手く行くのです。