変なことに気付きました。それは、ダイエットも、できる人とムリな人がいることです。言い方は変ですが、要は、ダイエット可能か、そうでないか、とも言えることです。
テレビのバラエティー番組でよくある、あの「激やせチャレンジ」を見ていたら、何と、体重250キロの人が70キロになった時、余分な皮膚を切り取るというのです。
それはそうかもしれません。体重が250キロの身体を覆っていた皮膚、中身の量が激減しても、そのままには縮まらず、ダブダブに余ってしまうのは、当り前です。痩せて、大き目になってしまった背広を直すことはありますが、250キロもあった身体に合わせて作った背広を、70キロの寸法に直すなんて、聞いたこともありませんし、それが、生身の身体の皮膚なんですから、もう想像を絶するような手術です。
大変失礼かもしれませんが、まるで、ムササビ(手足の間についている膜を大きく広げて空を滑空する動物)の膜を切り取るような手術なんです。(そうか、そのまま「人間ムササビ」という手もあるか。なんて言ったら、もっと失礼かも)
番組ですから、出演者は特別な報酬、つまり、何が何でもダイエットして、その見返りに掛かる手術費用や出演料などをもらえる契約なのでしょうが、こんなダイエット、一体、他に誰ができるのでしょうか。
第一、それだけ太るのも難しい(?)のでしょうが、250キロあった体重を本当に70キロにするなんて、ある意味で無謀(健康的なリスク)ですし、何より、いきなり70キロにしようとは、常識的には考えないと思うのです。
申し上げたいのは、物事には順番というか限度というか、それなりの条件みたいなものがあって、250キロの体重を落としたいなら、先ずは200キロ、そして150キロ、それが上手く行ったら、更に段階的に、100、そして70キロと行くのではないでしょうか。
それをいきなり250キロから70キロなんですから、3分の1以下、もう限度を超えていると言うしかありません。
このお話、実は、企業も同じだと思ったのです。このBP通信にも何度も書いている、未曾有の、或いは100年に一度の大不況と言われる今日の経済事情、それは、急激に経済という身体が縮んで、イヤが何でもダイエットを強いられている状況とも言えましょう。その経済の急激なダイエットに如何に耐えるか、それが、この番組にダブって見えたのです。
企業の業容を体重に置き換えると、250キロ相当の事業規模を、いきなり70キロ相当の規模に、ムリヤリ縮めようとしている、そのように見えたのです。
ものづくりで言えば、それまでの生産設備や調達した原材料、そして人員や運転資金、それらを一挙に3分の1にすることは容易なことではありません。容易どころか、不可能と言えるほど、大変なことです。
しかし、業容が100キロ相当の企業にとっては、70キロ相当にするのは、250キロの企業に比べれば、はるかに現実的なことになるのです。そう見ると、企業も、ダイエットができるかできないか、もっと言えば可能かムリかは、それまでの体重(業容)によるのではないかと思ったのです。
如何でしょうか皆さん。企業にも、ダイエットできる条件があり、ダブダブの肥満体質ではムリだということです。
しかし、元々スリムなら、少しくらいの脂肪が付いたくらいでは、その気になればダイエットは可能で、しかも、鍛えて筋肉質になろうと思えばなれるのです。ダイエットできる企業とムリな企業。人間と一緒なんです。
ところで、SI はどうかって? 大丈夫、ちゃんとダイエットしましたよ。100キロの体重が、ちゃんと50キロになったんです。このお話、またのお楽しみに~。