【Vol.151】フィールド・アライアンスの時代

 ビジネス・プロデューサー養成講座を始めて、もう10年になります。いつも言う、私の目指すところ、「友達のともだちは皆トモダチ」の輪を広げ、従来では考えられないような新しい枠組みのビジネスを創造しようと考えてのことでした。
はじめの頃は、一体、成果としてどのようなカタチが見えるのか、正直、不安でした。でも、ご参加いただいた受講生は、皆さん真面目で前向きで、何より、人懐っこくトモダチの輪を広げたい人ばかりでした。

 そうして10年。お役所で部門長になられた人や企業で役員になられた方、中小から中堅企業へと大きく成長させた経営者、受講生の皆さんが成長され、重要なポストに就くようになってきたのです。ここで言う重要なポストとは、経営の意思決定ができる、或いはできる方の腹心的なお立場になったという意味です。
面白いもので、行政でも企業でも、組織というものは、結局、一部の出来る方が物事を決めていくもので、後は上下の関係やメンツの問題を荒立てなければそれで良し、ということは皆さんよくご存知の通りです。(もう一度)そうして10年。そのような方々が800名を超えるまでになり、上場企業から中堅・中小企業まで、様々な業種・業態にビジネス・プロデューサーの仲間が日本中で活躍しているのです。
 さあ、こうなったら本当に新しいビジネスを創造しなければいけません。と言うより、出来なくてはこの講座の有用性もないし、やっている意味がありません。

 さて、ここでチョッと自慢させていただき、これまでの成果の一例をご紹介しましょう。
例えば、旅行業者と情報家電メーカーと企画した「旅行用携帯情報端末」や、大手船会社が中心となって飛ばしている「飛行船事業」、電気機器や情報装置のメンテナンス業者が展開する「情報サービス事業」など、この講座から出たアイデアが実際のビジネスになって行く事業が次々に出てくるようになりました。
 私としては、思うような方向の成果が出て嬉しい限りなのですが、(一応私もコンサルタントですから)その分析をしたところ、あることが見えてきたのです。
それは、参加する企業や事業体が、其々に保有する自らのビジネス・フィールドを共有したことが、共通的な成功要因だったのです。言い換えれば、自らが慣れ親しんだ事業領域を、新しい事業パートナーに開放・共有し、新しい技術やノウハウ、商品・サービスなどを相互乗り入れすることで、顧客により多くの事業を仕掛けるというものです。
企業同士は系列や資本関係はありません。あるのは、信頼関係だけなのです。まさに、私が目指すところの「友達のともだちは皆トモダチ」だったのです。

 であれば、この「友達のともだちは皆トモダチ」ということ自体、新しいビジネスモデルとも言えるのではないでしょうか。
 さあ皆さん、これからは「トモダチの輪を広げ、事業領域を共有して新しい事業を創造して行くビジネスモデル」と書いて、「フィールド・アライアンス」と読みましょう。

 フィールド・アライアンス。これから面白くなっていきますよ!