【Vol.114】動くから出会いがある

 流動性という言葉があります。企業の資産や債権を遅滞なく現金に変換でき、或いは現金として回収し得る度合いや能力のことです。
 最近、この流動性が、資産などのことだけでなく、事業を進める上でとても大切なことだと思うようになりました。要は、動くことが、事業の活性化を図る上でも重要な要素であるということに気付いたのです。動くことは「活発」なことでもありますが、どうしたら、人間や企業が活発になるかを考えてみたのです。

 さて、よく聞く言葉に「世間知らず」というのがあります。見聞が狭く世間の事情を知らないこと、と言う意味です。同じ職場や業界から出ずにじっとしているような方に多く、更には、知識も狭いことを言う場合もあるようです。
 では逆に「世間を知っている」という状態はどういうことなのでしょうか。世間の事を何でも知っている人はいませんが、一般の人より物知りで、どちらかというと浅く広く、物事の本質を知っている人は結構いらっしゃいます。私の知る限り、そのような人は積極的な性格で、人脈も広く、色んな業界に友人や知人がいるようです。とにかく行動的で、席を暖めている暇がないくらいに、いつも人と合い、現場に出かけています。言い換えれば動いている訳で、動くことで、常に人と出会い、結果、新しいことに触れることができ、新しい情報を持ち、新しい価値が生まれるようになるのでしょう。

 話を戻して、資産や債権の流動性を、違う視点で考えると、お金の自由度と言うことも出来ます。つまり、現金に変換することができる自由度があって、その資産や債権の使い勝手が良くなるということです。
 ここに本質的な共通点が見えてきます。つまり、お金のことも、人のことも、更に企業でも流動性が大切なのです。そして、その流動性を促すことは、自由度を得ることとイコールです。ならば、流動すること、動くことが新しい価値に結びつく、と言えるのではないでしょうか。
 腰を据えてじっくりと取り組む。これも大切なのでしょが、新しい情報や新しい価値は向こうからは来てくれません。逆にこっちから行かなければ出会いなどありません。動かなければ何も始まらないのです。

 さあ、皆さん動きましょう。新しい価値に出会うために。