【Vol.80】毎日がマスゲームではつまらない

何でも大手のハンバーガーチェーンの売上が低迷しているそうな。そんな話を聞いてふっと思いました。
 私も何回か買いに行って感じたのですが、店員さんの対応が皆一緒です。確かに決して悪くありません。でもつまらないのです。皆さんが同じ応対でお客さんの注文を聞き、出てくる商品も画一化したもの。これではハッキリ言って、カサネガサネでつまりません。
 金太郎アメのようだと言う事があります。どこを切っても同じ模様のアメのように同じでつまらないと言う例えですが、このハンバーガーチェーンに対するお客様の潜在的な意識も、きっと同じようになって来ているのではないかと思うのです。

 たかがハンバーガーでも買い物には変わりません。買い手と売り手の他愛の無いやり取りがちょっと欲しいと思っても、マニュアル通りに対応する店員さん。殆どがアルバイトだそうですが、こちらが少し余計な、言い換えればマニュアルから外れて話し掛けても、応えは同じです。茶目っ気でジョークを言っても応えは同じ。そうか、こちらもマニュアル通りの注文や話し掛け方でなければいけないと気付いた途端、もうそこには気持ちを通じ合う必要が無くなります。
 そうです、この店では店員さんロボットにお客さんロボットが紋切り型で注文し、紋切り型商品が出てくる。そういうシステムなのです。

 話は変わりますが、最近ニュースで毎日出てくるお隣の国のニュースのお姉さんも、どこか似ています。ハンバーガーチェーンの店員さんとは違って、決して笑いはしませんが、いつも話し方は同じで腹の底から搾りだすように、そして目を吊り上げて叫んでいます。一体、この人の日常の生活はどうなっているのだろうか、日常生活でも叫んでいるのか、旦那さんはどんな人か、子供さんは可愛いのだろうかと、余計な事を考えてしまいます。
 そう言えば、この国の映像はいつもマスゲームです。得意なアトラクションはいつもマスゲームだし、軍隊の行進も足を伸ばして一分の狂いも無い、完璧なマスゲームです。おまけに抗議集会でも子供から大人までマスゲームのように皆同じように拳を突き上げて・・・。

 ハンバーガーチェーンの話から少し脱線しましたが、私達の本能的な意識の中にある抵抗感は、きっとこのマスゲームの感覚がイヤなんだと思うのです。
 普通の人なら、毎日がマスゲームではつまらないのです。