【Vol.6】サービス精神

 今年も、特許庁の施策に基づき、(財)テクノマートからの依頼で「開放特許活用事例集」をまとめることになりました。昨年と違ったのは、開放特許の「横展開」を企画立案する人材をテクノマートが育成することになり、公募した方々が作った原稿を、私が添削する立場になってしまったことです。ある意味では光栄な事ではありますが、何分、これがプロとして初仕事の人たちの原稿ですから、色々ありまして、何と申しましょうか、大変貴重な体験でした。
 何が貴重かと言いますと、「サービス精神」には個人差があることを発見したからです。解説が必要です。「開放特許活用事例集」は、大企業の保有する特許を有償で中小企業等に開放する際、活用してもらうためのアイデア集です。
 ここで大切なことは、どうしたら異業種中小企業の目を引くか、その気にさせるアイデアを如何に多く提示できるかが重要なことになります。ですから、より多くの活用事例を提供するためには、「もっとあるかも知れない、もっと考えよう」といった、サービス精神が一番大切なことなのです。今回添削してみて、このサービス精神というものは、実に個人差が大きいものだ、と発見したわけです。勿論、人の思考には個人差があるのは当然ですが、そのことよりも、サービスするのが好きか嫌いか、という差が強く感じられたのです。

 いつも申し上げるように、ビジネス・プロデューサーは黒子に撤した取材記者みたいなものです。より多くの情報を盛込もうとする姿勢がなければ、その記事は輝かないのと同じで、活用事例集は読んでもらえません。でも、今回は数件、サービス精神旺盛な方が書かれた事例もあり、ほっとしました。
皆さん、ビジネス・プロデューサーの基本姿勢は「サービス精神」です。