【Vol.12】ニュービジネスの意思決定は『俯瞰力』

 最近、気になることがあります。あれだけ、バブルで色んな事を学び、これからの時代は新しいパラダイム(規範)で物事を進めなければ…、と分かっているハズなのに、肝心なことを決められない経営者が多いのです。
 それも、かなり大きな企業の経営者がそうなのです。提案したことに、現場のご担当の方々は大いに盛り上がってまとまったのに、いざ、トップに伝えるとほったらかし。改めて伺うと、結局、その新しいビジネスの本質を理解できず、決められないのです。
 案の定、売り上げはいくらだ、利益はどうなるのかと、目先の話ばかり。そして、「よく分からないから止めておけ」が結論です。そのビジネスによって、将来どうなるのか、イニシアティブはとれるのか、継続性や相乗効果はどうか、要するにビジネスの全体像が見えないようです。今までのように、作ればある程度売れる時代はとうに終わり、新しい仕組みや方法、そう、「ビジネス・モデル」を構築することが最大の競争力なのに、残念ながらお分りにはならないのです。

 こんなことが結構ありまして、ちゃんとしている企業とこんな企業のトップの違いについて考えてみました。それは、一言で言えば、「俯瞰力」の差ではないでしょうか。
 俯瞰とは、高いところから見下ろす、或いは見渡すことです。自分の企業の置かれたポジションを、如何に高所から俯瞰するか。それが高ければ高いほど、より大きな範囲を見ることが出来、結果、的確な判断が下せるのです。視野が拡がるということは、情報量が多くなり、選択肢も多くなり、事業のシミュレーションが出来るということです。
 イライラしていてもつまりません。そんな分からない面々はほっておいて、私たちは分かり合える者同志で、ニュービジネスのネットワークを構築しましょう。仲間の地位や肩書きなど関係ありません。一人ではなく、より大勢の「素直な目」は、とんでもない高いところから見る俯瞰力となるのです。
 現在、その目は606です。