【Vol.218】寿命は120歳

 実は、私、しばらくブルーだったのです。何でこんなに気分が落ち込んでいるのか、自分でも分かりませんでした。それが、ひょんなことから、あ、これが原因だということが分かり、それで解決したという、お話です。

 先ずは、ブルーになった原因です。父が亡くなって(今年の5月でした)、通夜の晩、親父の顔をじいっと見ながら考えたんです。私は、親父が36歳のときの子供なので、その親父が死んで、単純に、私の余命もあと36年、そう思ったのでした。
まあ、そのように考えること自体が、変と言えば変な話なんですが、元々、私の家系は長生きらしく、代々、長寿(おばあちゃんが100歳、親父も享年95歳)なんです。なので、その伝で行けば、私もあと36年はあるぞ、そう思ってしまったのが始まりです。

 ほんのしばらくは、あと36年間もあるぞ、そう思っていたのですが、実は、段々と、あと36年間しかない、という焦りにも似た気持が強くなっていきました。
 あるぞと、しかない、この気持の違いは大きいのです。
 案の定、しかない、と思い始めてからブルーになってしまったのです。それまでは、あれもやりたい、これもしたい、そんな前向きの気持しかなかった私なのに、(時間的に)出来ないと思うことが多くなり、ブルーになったという訳です。

 解決のキッカケは、ある高齢者が出演していたテレビを見ていたときです。その高齢者は、あと何年生きるなんて分からないよ…、と話していたのです。
 瞬間、背筋がヒヤッとしたような感じでした。自分は、勝手に寿命を決めていたのに、そうか、寿命なんて誰にも分からないのが普通のことなんだと、そう気付いたのです。お元気そうなその人の笑顔が、とてもまぶしく、また、嬉しく思いました。

 ブルーになってしまった原因、それは、あと36年という、カウントダウンだったのです。そうなんです、私は無意識のうちに、人生のカウントダウンを始めていたのです。
 58歳、だから、残り36年間は今までよりは短いと、峠を越して、もう下るしかない人生のように、カウントダウンをしていたのです。

 原因が分かれば、解決のみ。そう思って私は、カウントダウンの逆を考えることにしたのです。簡単といえば簡単。単純といえば単純。
 私は、これからの人生は、今までよりも長く設定すればよいと考えました。36年でブルーになってしまったのですから、40や50ではダメです。ですから私、あと62年間と決めたのでした。今までの寿命と足して、ちょうど120歳にしたのです。

 なんだ、結局、寿命を決めているのではないか、そう思われるかもしれません。
 しかし、間違いなく、今までより長く設定すれば、未だ峠を越してはいないので、しばらくは登り続けるしかありません。下るのと登るのでは、気持の持ち方が違います。62年間もあるぞ、そう考えると、今までブルーになっていたのが不思議なくらい、私、気持が絶好調になったのです。
 ああ、なんて単純なヤツなんだ。バカじゃないか。そういわれるかもしれません。自分でもそう思うのですから、間違いなく、私は単純でバカなのですが、こんなことで気持が入れ替わるのですから、これはお勧めです。

 如何でしょうか皆さん、人生は120年。そう考えることにしましょうよ。そうすると、やりたいことは、あせらずにジックリと出来るし、もし、今までに後悔したことがあったとしたら、それは、やり直せばいいのです。タ~ップリと時間があるのですからね。
 さあ、皆さんも120歳まで、お元気で!!