【vol.290】人のファン・デル・ワールス力

 ファン・デル・ワールス 力(ふぁん・でる・わーるす りょく)と言うのをご存じでしょうか。オランダの物理学者で、物質の状態変化などを研究しながら、気体の分子間に引力が働く、いわゆる分子間引力が在ることを発見したノーベル物理学賞受賞者です。

※ファン・デル・ワールス(1837~1923)

 最初から、偉そうにして恐縮ですが、私、このファン・デル・ワールス力は、人と人の間にも働いているチカラである、と思うのです。

 つい最近、こんなことがありました。このBP通信は、皆さんご存知のように、主に、ビジネス・プロデューサー養成講座の卒業生にお送りしている私のブログですが、そのビジネス・プロデューサー養成講座と同じようなことを考えている人に出会ったのです。

 今まで、実に様々な講座のあることは知っておりましたが、まさか、ビジネス・プロデューサー養成講座と同じような講座は、大袈裟に言えば、絶対に他では在り得ないと思っておりました。そんな私ですから、それはもうビックリを通り越して、「嘘でしょう?」と思わず言ってしまったくらいです。

 先回のBP通信にも書いた「リアル開発会議」、そのプロジェクトの一環として企画していた「ミニ・BP講座」のお手伝いをしてくださるという人に会ったのですが、何と、その人たちは、ずうっと、ビジネス・プロデューサー養成講座的な講座を開催したいと思っていたと仰ったのです。

 何回も言いますが、ビジネス・プロデューサー養成講座というものは、相当の実践的なビジネスを経験しないと、その必要性自体に気付きません。加えて、そのプロデューサーを養成しようとまで考えるには、余程、サービス精神豊かな人でないと、発想はできないと思っていたのです。なぜなら、プロデューサーというのはあくまで黒衣ですから、それを、人の為に養成しようとまでは考えない、と私は思っていたからです。しかし、そのものズバリを考えている人たちがいたのです。それも、リアル開発会議のご担当のお知り合いとは。これはもう、何とも不思議なチカラが働いているとしか、言いようがないではありませんか。

 よく、類は友を呼ぶと言いますが、単に気の合った者や似通った者同士が自然と集まるというレベルではない、強力な引力で引き合ったとしか思えない今回の経験。それは、まさにファン・デル・ワールス力のように、分子という、物質固有の性質を失わない、最少の構成単位同士に働くチカラで引き寄せられたということです。

 そうして見ると、本当の人脈とは、その人特有の考え方や個性が、「類」よりももっと近い関係である「族」同士で構成されているのかも知れません。

 ですから、これからは、本当に近い考え方を持つ者同士の呼び方を、ファン・デル・ワールス族と言うのはどうでしょうか。

 えっ、そんなに偉い学者先生の名前を勝手に使っていいものか、ですって? 確かに、それは注意しなければいけませんが、そんなに叱られる話ではないと思いますよ。

 きっと、ファン・デル・ワールス先生の周りには、そのような人がいつも集まっていたと思うのです。「わたし、先生のファンです(る)!」なんちゃって…。