志と異業種提携で、ローテクを
新広告装置のコア技術に変えたK社〜前編 |
一昨年、東京ビッグサイトで開かれたトラックショー。そこで注目を集めた「走る広告塔」にして「普通のトラック」は、意外なローテクを核に、粘り強い技術開発が生み出した新製品だった。
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■運送会社を取り巻く「三重苦」に気づいたK社
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今回ご紹介する事例は、東北地方に拠点を置く、小さな車両架装メーカーK社を中心とした、異業種提携による新しい広告装置の開発物語です。
K社は、自動車メーカーから購入した車体を、顧客が望む仕様に改造・製作し、機構を整備し、塗装を施すなど、顧客ごとに必要とされるボディーを提供する事業を長年続けてきました。
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しかし、K社はそこからもう一歩踏み込み、最大顧客である運送会社の経営支援を考えていたのです。
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激しい競争環境の中、物流単価は下がるのに、高速道路料金などが固定費のようにのしかかっってきて経営を圧迫される運送会社。車両単価はすでに限界点にまで下落していて、現状以上のコスト削減努力をメーカーに課すのも困難。物流量、物流単価、物流経費における三重苦に見舞われる、そんな運送会社を何とか応援できないかと。
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そのためにK社は2つのチャレンジを開始しました。1つは、運送車両の作業効率を向上させることでコストの削減を図るというもの。この課題に対してK社は、リモコンで開閉するドアを取り付けたボディーを開発・製品化して、すでに大きな反響を得ています。
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そして2つ目の挑戦が、これからお話しするトラックの車体広告だったのです。
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■車体広告の市場性と、技術的・コスト的課題の間で
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| 2000年4月に解禁された都バスの全面車体広告は、2000年度の期待収入の5億円を上回り、6億円を超えました。この成果を受けて東京都は、屋外広告物条例を改正し、地下鉄や鉄道などへの広告展開を進めています。インターネット広告が注視される一方で、さりげなく、でも、繰り返し広報宣伝ができる安価なメディアとして、交通広告が再評価されてきた、ということでしょう。
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さて、車両架装メーカーであるK社は、運送車両をいかに「走れば走るほど儲かる」商品に架装し提案できるか、という挑戦をしていましたが、その課題解決案が、やはり車体広告だったのです。
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しかし、運送車両にそのつど塗装する方法は、長期契約でなければ、塗装を頻繁にはがすことになり、ロスが多い。また、都バスに使われている技術は、ラッピング素材が高価すぎる。一方、液晶画面を車載しようと思えば、走行時の振動の問題や、液晶にデータを転送する装置を含めたシステム価格の問題がある……。など、アイデアの方向は見えていながらも、技術的、コスト的に具現化できない状態にとどまっていました。
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そんなK社に1つの提案が持ち込まれました。バスの前面などに設置して、行き先表示に使う「巻取り機構」の活用案です。提案したのはM社でした。が、それは実に数十年も前に開発された技術でした。現在でも、バスが終着停留所に着くと、次の行き先表示になるまで、内部のロールが回転し、巻き取られていくシートのバーコードを読み込みながら、次に示す表示項目でストップするという極めて簡単な機構として利用されている技術です。このローテクが、車体広告具現化の有力案になりました。ただ、広告装置として使う以上は、表示面を飛躍的に拡大させ、なおかつ車体面には、可能な限り薄く装着させる必要があります。技術的にはすでに確立していると思われていた表示装置が、業界を超えて応用された途端、新たな進化を迫られたのです。
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