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開発事例物語
 

志と異業種提携で、ローテクを
新広告装置のコア技術に変えたK社〜後編
一昨年、東京ビッグサイトで開かれたトラックショー。そこで注目を集めた「走る広告塔」にして「普通のトラック」は、意外なローテクを核に、粘り強い技術開発が生み出した新製品だった。
■1社では突破できなくても、仲間が集まれば「文殊の知恵」に
  表示部のシート面は、大人の身長と同じくらいに設計されました。が、巻き取っていくシートのたわみや、巻き取り時のシート厚のかさ張りなどの課題が発生しました。さらに、設置場所はボディー側面と決められましたが、収納容積の確保が命のトラックにあっては、巻き取り機構とシート厚によって、内部空間を犠牲にするわけにいかないという問題もありました。これらの課題を、K社とM社は丹念に克服し、ローテクの表示装置を、広告装置にリニューアルしたのです。
 さらに、広告を印刷するシートは、背後からの光の照射で、フルカラーの美しさ が均等に輝くものであり、かつ頻繁に変更される広告の特性を考え、インクジェッ ト方式の印刷機を利用できる種類のものが望まれました。
 私たちは、これにこたえるパートナーをご紹介しました。その企業T社も事業計 画にまで参画し、前向きな姿勢で共同開発に取り組んでくれました。
 こうして、複数の企業が連携し、課題を解決していったことから、ついに広告装 置を搭載した車両が完成したのです。大きな志と視野で顧客の事業ポジションを検 証し、技術的な偏見を排した中で、この発明は生まれました。
 そして、この広告装置は、運送会社が所有するトラックの経費を広告収益で劇的 に低減させ、それを運送料に反映させることで、潜在的な物流ニーズを引き出すも のになるでしょう。既述した顧客の三重苦を緩和し、物流事業者の役割をモノの運 送ばかりでなく、情報も運ぶ存在として認知させる……。K社は間違いなく新しい 事業を創造したのです。
 K社の成果は、2001年秋のトラックショーで公開されました。通常はトラックメ ーカーが主役になる同展示場で、東北の小さな車両架装メーカーのブースが、一、 二を争う盛り上がりを見せたのを見て、私たちもあらためて「開発は企業規模では なく、志の大きさで実を結ぶもの」ということを、実感したのでした。

2001年10月のトラックショーで公開された
K社の「巻取り機構」活用による新型車体広告
バスの行き先表示よりはるかに大きく、 カラー印刷の発色もすぐれた車体広告  
  自動的にセットされた時間がくると、巻き取り装置が作動し、次の広告画面に切り 替わっていく
トラックの荷台側から見た広告装置の内部。シンプルな構造と容積を抑えた設計であることがわかる  
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