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開発事例物語
 

新たな道路舗装材料販売事業を
環境ビジネスへと進化させたS社
道路特定財源に関して論争が起きている。生活道路の拡幅工事が進まない一方で、赤字が確定的な地域にも高速道路が伸びようとしていると……。そんな中、ビジネスモデルの革新で注目を集める道路関連企業があった。

道路施工業者S者のビジネスモデル
■巧みに主導権を保持したS社の戦略
 中国地方の道路施工業者のS社は、開発志向であったことが幸いし、環境に配慮した道路舗装材料を開発しました。プラスチック廃材を、そのまま混合溶解させ、改質アスファルトにする技術です。この技術が注目されるのは、2001年度の環境関連法の一斉施行とともに、廃プラ処理が焦眉の課題となっていたからです。年間350万トンが使用されると言われるアスファルトは、全国1300施設のプラントで生産されていますが、このプラント群にわずかな投資で手を加えるだけで、廃プラを活用した同材料の生産を可能にするのです。
 廃プラは、かねてより道路舗装材の骨材として用いられることがありました。また、同材料のように、油化したうえで、アスファルト自体に再生する技術もすでに知られています。したがって、この材料の開発成果がマスコミに取り上げられたとしても、必ずしもS社の事業拡大に寄与するとは限りません。そこでS社は次のような戦略を取りました。
 それは、業界関係者の危機意識に訴える方法でした。業界大手と対立するのではなく、彼らの力を利用し、また彼らの間での牽制し合う心理も突き、巧みに主導権を保持したのです。S社はプレス発表後、業界に声をかけ勉強会を立ち上げました。そして、関係企業の雇用確保にも重要なアイテムになることを提唱しました。たとえば、既設アスファルトプラント所有者には「わずかな投資で稼働率の低下に歯止めがかけられる」ことを、廃プラ回収業者には「今後増大する廃プラに対し、地域分散型のアスファルトプラントという格好の処理場ネットワークを前提に対応していくことができる」ことを、さらに、道路施工業者には「同材料なら、行政のグリーン調達方針に訴えられる」ことをアピールしたのです。
 
近年では、さらに付加価値を高めたオブジェの製作もはじめている。
 掛け声倒れに陥りやすい環境ビジネスに対し、S社の戦略は、その活路の求め方を提示した事例とも言えるでしょう。
 
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