| 知財戦略1 出願の目的 〜開発への準備
その4〜 |
■ 知財出願の目的と狙い |
| 特許や意匠、商標などの所謂「知的財産権」を出願する時、兎に角数多く出願することが大切だと、勘違いしている人や企業が多いのにビックリすることがあります。平気で「下手な鉄砲数打てば…」なんて言われたら、もう呆れるばかりです。 |
| 何故、このように考えてしまうのか、最近分かってきました。それは、知的財産権を、モノやサービスの周辺にある、「戦術的」な「ツール」であると考えるからです。実は、知的財産権はそんな軽く簡単なものではなく、「戦略的」な「経営手段のひとつ」なのです。この、戦術と戦略、そしてツールか手段か、比べて考えてみれば分かるのですが、ここのところを一緒にして考えているようです。
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| 言うまでもなく、戦略とは戦術とは数段上の「上位概念」で、全局面的に物事を思考・洞察して展開することです。また、手段とは具体的なやり方のことで、ツール(道具)を如何に使うかと言うことです。モノやサービスの周辺を考えることは言ってみれば「改善・改良」の類で、構造的な基本を策定することではありません。このように、出願の目的を、戦略として考えるか、ただのツールを選ぶのか、ここが大切なところですが、要は、出願の目的や狙いを明確にしていないのが問題です。つまり、出願を何のためにするかと言う、根源的な目的を定め、戦略としての狙いを定めなくてはいけないの
です。 |
■ 知財は経営に直結するもの |
| 知的財産権が、経営に直結するような大問題である事例を挙げるのに、困ることはありません。最近では青色LEDをめぐる開発者と所属先だった企業との係争や、ヒトゲノムの解析特許の問題が大きく取り上げられ、繰り返し報道されています。裁判で負けるようなことがあれば、それこそ企業の生死を決め兼ねない事態も、よくある話なのです。 |
| このように、知的財産権(以下、知財)は昔から経営に直結しているもので、最近そうなったものではありません。それなのに、何故、知財は多くの企業が軽んじて論ずるのでしょうか。「それほど大した知財が無いからさ」と言っては、身も蓋も無い話で、私は知財が現場の技術者レベルで議論されているからだと思っています。逆に言えば、知財は技術的な権利であって、繰り返して言いますが、モノやサービスの周辺にある問題だと考えているからなのです。 |
| 多く企業は、技術者は経営にタッチしてはいません。そうでない企業もあるかも知れませんが、技術者は既に設計された商品やサービスを如何に供給するか、という立場にあります。つまり、ツールを使ってモノを作り、戦術を考える立場で仕事をしています。つまり、決して経営者の立場にはなっていないのです。 |
■ 知財戦略は経営戦略 |
| こうして考えると、知財が経営そのものに関係している今日、戦術やツールとして位置付けること、そのものが間違いであることに気付きます。もっと言えば、機械メーカーの社長が「自分は技術者ではないから、社長は務まらない」と言っているのと同じです。経営に、理系であるとか文科系化と言う議論はナンセンスです。経営は経営者というプロがやればいのであって、その資質は、戦略を策定できるチカラがあるかないかという、ただ一点だけなのです。 |
| 知財は経営戦略そのものです。 |