【Vol.229】えこひいき

 えこひいき、漢字で書くと依怙贔屓、意味は自分のお気に入りの人や、関係者だけの肩をもつことです。今回は、このえこひいきについて考えてみました。
 依怙とは、頼りにしたり、自分の利益、私利のことを言います。そして贔屓とは、気に入った人やものを、特別に可愛がったり目をかけることです。
 ですから依怙贔屓とは、自分の為に、特に気に入った人や物に対し、それも、一方的に肩をもつことなので、言い方を変えれば不公平のことですから、どちらかと言うと悪い方の印象が強いように思われているのかもしれません。
 しかし、贔屓にするのは心情でして、する方もされる方も気持ちの良いこともあり、役者を贔屓にするパトロンや、スポーツマンを支援する後援者などの場合は、良い印象の方が強いかもしれません。でも、贔屓の引き倒しはいけません。贔屓し過ぎて、かえって相手に迷惑をかけることがあるからです。

 最近、えこひいきにも良いエコヒイキがあると思うのです。ただ、ちょっと字が違うのですがね。どう書くかというと、エコひいきなんです。そう、多くの方がエコを贔屓にしているんです。巷には、色々なエコが見えるようになって来ました。
 飲食店では割り箸が少なくなってきて、洗って使いまわす箸が多くなってきましたし、お客さんも、マイ箸を持つ人が増えているそうです。
 ミネラルウォーターも、容器のペットボトルが使い捨てではエコじゃないとばかり、マイボトルに水道水を入れて飲む人も増えているそうです。
 電気のエコも当り前、以前は考えられなかった電力会社の節電を呼びかけるCM、よく考えれば自らの商品を節約しなさいと言うのですから、何か変な感じですが、エコを呼びかけることが企業イメージを高めることになるのでしょう。
 ハイブリット車や電気自動車などは、エコの象徴と言ってもいいかもしれません。エコ減税も加わり、可愛い少年が「エコ!」と呼びかけるのが可愛いんですよね。
 そのほか、古着のリサイクルも最近は様変わりなんだそうで、ただ、リサイクルショップに出すだけではなく、例えば、きもの地を利用して洋服に仕立て直して、むしろ新品よりも高額になるようなものさえあるようです。

 そうなんです、最近のエコは、単にムダを省くとか、節約することが目的ではなく、エコを実践し、体験すること自体が美しい、あるいは嬉しいことであり、エコそのものに価値を見出すようになっているのです。
 そして、最初に書いた依怙贔屓は自分勝手で不公平な依怙ですが、今どきのエコは、社会に役立つ公平なエコなのです。

 ところで、お前は何かエコヒイキしているかって? そうですねえ、贔屓と言えばひいきなんですが、こればっかりは止められないのがありまして、恥ずかしいんですが、家内贔屓なんです。結婚以来、ずうっと家内を贔屓にしているんです。
 
 えっ、それは文字通りの依怙、自分の利益の為に、頭の上がらないカミさんの肩をもっているんだから、ただの保身ですって? しかも、贔屓の引き倒しで、カミさんはどう思っているか分からない?
 ちょ、ちょっと、そんなこと言わないでくださいよ。家内はそんなこと思っていませんよ。ならば、それはそれで、逆に、カカアデンカだって?
 う~ん、じゃ、百歩譲って、せめてカカアビイキにしてくれませんかねえ。

 今回のオチ、書いてる私も、訳が分かりません。…あ~あ。