【Vol.137】値ごろ感のDNA

 どうも、値ごろ感には何か共通的な決め事があるようです。大袈裟に言えば、DNAがあるのかも知れませんよ。私がこの仕事を通じて学んでいる中でも、この「値ごろ感」は一番と言ってもよいほど大切なことなんです。
開発の仕事をお手伝いしていると、当り前ですが商品・サービスのお値段をどうするかが問題になります。お客様に聞くと、「安いのがいい」と仰るのは当然で、誰も「高くして欲しい」とは言いません。
マーケティング調査を通じてある程度の数字は掴むのですが、最後はお客様が納得するような値ごろ感、或いは、言い換えると「値幅感」が決め手になるのです。ですから、この値ごろ感をマスターしてしまえば、迷うことが少なく本当に便利なんです。 
 では、一体どのようにして値ごろ感は決まるのでしょうか。(そうそう、その前に念の為に申し上げておきますが、いつもと同じで、全くの私見ですよ、このお話は。)

 値ごろ感を決めているのは相対比であると思います。動物の体と同じで、頭の大きさ、手足の大きさなど、その動物の体の大きさに応じて部位の大きさが決まるように、相対的な比率で決まっていると思うのです。全体から見てどのくらいなのか。そのようなバランスで、誰が決めたのかは知りませんが、どうも共通的な数字があるようです。
 例えば、値下げをしてお客様にご案内をする時、10%くらいの値引きでは、どなたも安いとは思いません。しかし、30%引きにしますと、誰もが「安い!」と感じます。「性能は30%アップ、値段は据え置き!」という時も同じです。逆にどんなに性能が上がっても、30%を越える値上げは受け入れられないようです。この30%という数字。そうです、これが商品やサービスにおける値ごろ感のDNAなのです。
 面白いもので、ダイレクト・メールの応答率とか、商品が売れて行くときのシェア、有名人の認知度、論評などが定評になるかならないかの境目の数字、或いは、大局が動く時の様々な閾(しきい)値は共通的に2%くらいのようです。他にも、様々な業界でのマージンやリベート、利益率や金利の設定など、これらにも共通的な数字があります。

 このような数字を誰が決めたのかは判りません。しかし、どこの国でも同じようなものらしいのですから、これはやはり人類の遺伝子だと思うしかありません。DNAで決まるのですから、神様がお創りなられたこととしか言えません(いつもながら、すごい飛躍ですねこの話)が、覚えておけば間違うことはありません。
 繰り返しますが、今回のお話は私の私見です。この仕事をしていて、何となく感じていた数字を、何回と無く検証して来て気付いた数字です。ですから、そんなに的外れとは思いませんが、保証はできません。でも、どうぞご参考にしてくださいね。

 えっ、多喜が言うことの信憑性は0.3%ですって? それ、「千三つ」じゃありませんか…。
 あ~あ。