【Vol.106】謝りかたにも色々ある

 最近、ニュースで深々と頭を下げて謝っている姿をよく見ます。謝る羽目になった原因は様々でしょうが、どうも、その謝り方にはハッキリと幾つかのパターンがあるようです。
[1] たまたまトップなのでしょうがないから(セレモニー的に)謝っている。
[2] 何が何だか分からないが(取り敢えず)謝っている。
[3] 謝りたくないが、謝っている(ふりをしている)。
[4] 先ずトップの責任を明確にして(真相を調査して公表することを約束して)謝っている。
…と、このように大別されましょうか。

 皆さんはどの謝り方が好きですか。「好き」か、なんて聞くのは、謝り方にも好き嫌い、即ち、好感度がメチャあると思うからです。
[1]で特徴的なのは、居並ぶ幹部が下げた頭の位置が見事に同じです。まるで、どこかの独裁政権の軍事パレードのように、きっと何回も練習したのでしょう。
[2]は自らの不明を曝け出すという点では正直なのですが、情けない感は否めません。
[3]はもう最悪です。目を見れば分かります。いつ、部下の責任にしようかと、そのタイミングを窺う目つきです。
私が好きなのは、やはり[4]です。毅然と真正面から記者団に向き合い、決して目をそらさず、潔く、トップ自身の責任を明確にして、更に、真相の究明を約束する姿。それは、言い方が相応しくは無いかも知れませんが、あたかも「ヒーロー」のように輝いて見えることさえあります。不測の事態で謝る羽目にはなったものの、正しく結果オーライ。お客様にはかえって良い印象を与えることに繋がります。

 どうですか、皆さん。謝り方にも色々あります。人間のやるとこですから、予測できない問題や事件が起こった時、先ず謝るのは当然のことですが、その謝り方次第では、結果に、それこそ天国と地獄の差が出てしまいます。
 先ずトップの責任を明確にしてひたすら謝る。更に、原因・真相を究明することを約束する。
 そんな謝り方に「あやかりたい」ものです。