【Vol.96】裸の王様を作らない組織

 最近、とっても嫌なことがありました。ある団体の仕事に関わっていたら、とんでもない理不尽な仕打ちを受けてしまったんです。詳細はそのうち明らかにできるかとは思いますが、今回はそのお偉い方について語りたいのです。
 このお話も、どこかの公団の総裁が居直ってガタガタ言っているのと同じような構図なんですが、違っているのは、そのお偉い方は自分の非に全く気付いていないことなんです(間違っていない?)。
どうやら、ご自分では正当であることを信じて疑う事も無く、その上、周囲の人たちは知らぬ振りを決め込んでいるという、正に「裸の王様」状態になっているようです。その団体(正確な名称はやめときましょう)の理事長は、お役所からのいわゆる天下りで、兎に角、昔からとても面倒見の良い方だったそうでな。で、そのことがあって今のポストに長い間居座って(?)いるらしいのですが、困ったことに、何でも自分が決裁しなければ不機嫌になるそうです。しかも、細かいことにも口を出し、忙しさに紛れて素通りした案件も、後になって平気でひっくり返すなどというヤンチャは日常茶飯事だそうです。

 その団体は、お国の施策を実施する時に受け皿となって事業の取りまとめをする公益法人で。お役所から見れば、外郭団体という位置付けです。全国にも支部があり、民間でしたら中堅どころの優良企業といったところです。しかし、これが一番の問題ですが人事考課も人事異動もありません。プロパーはよほどのことが無い限りずっと居れますし、お役所からもそう毎年毎年降りてはきません。
そうなんです、要するに無風状態。黙っていても仕事は下りてくるし、ヘマをしようがしまいが、大体、お役所が企画した仕事を言われたとおり実施するだけですから、間違いようがありません。ですから、何もしないでも安泰、何かしても気にしないという、完全無風状態に陥るのは当然です。
さあ、その組織のトップになったらどういうことになるか、もう皆さんには想像できるでしょうネ。そう、只々「偉い」のです。正に、慇懃無礼を絵に描いたようなそのお偉い方は、あちこちの会合の挨拶だけをこなしながら、毎日毎日が忙しく過ぎて行きます。上にも下にも、そして横にも斜めにもライバルは無く、比較する対象すらありません。正に、裸の王様製造団体で作られた正真正銘の裸の王様なのです。
 まぁ、悪口ばかりでは面白くないので(その割には長々と)、何故、このようなことになるのか、考察した次第です。

 結論は、「向上心」ではないでしょうか。現状に満足することなく、より良い方向を常に模索し努力する。この気持ちこそが大切で、それが実践できる組織こそが、裸の王様を作らない組織と言えるのではないでしょうか。
 ある優良企業の社内企画書を見て驚きました。「打倒○○○!」そう書かれた企業名は、何と自社名です。自社を自らが打倒するくらい、現状を否定し自己を見直してより良い方向を目指すというのです。その上、この企業のトップ以下全社員の口癖は「現地・現物」。とにかく出掛けて実際に確かめることだというのです。
 こういう企業には裸の王様などいる筈はありません。外に向かって行く姿勢には、そんな間抜けな現象が起こるわけは無いのです。
 裸の王様に申上げます。その裸のままで、外に出掛けてはみませんか。
 も~っと、も~っと注目されますよ。

 あ~ぁ、書いてスッキリした~。