【Vol.78】幸せの新陳代謝

 毎日、クライアントに伺い、開発のお手伝いをしている中で、色んなお話を聞く機会があります。どうでもよい話、ためになる話、面白くない話、思わず笑ってしまう話。本当に様々です。そうした中で、最近気になる話が多くなりました。どちらかというと面白くない話です。
まあ、こんな景気が続いているのですから仕方の無い事かも知れませんが、要は経営環境が悪化したのは周りのせいだという議論です。

 景気が悪い、政治が悪い、誰かが悪い・・・。そう言っているだけで気が晴れるのなら、それも良いでしょう。でも、悪口ばかりを言っているだけで、人の気持ちが福々しくなる筈がありません。幸せとは自分で作りあげることです。また、仮に他人からいただいた幸せでも、それだけで長続きはしないものです。なぜなら、幸せにも「新陳代謝」があるからです。いただいた幸せは、時が経つにつれて感動や感謝の気持ちが薄れ、いつしか寂しくなってそのまま放っておくと幸福感さえ消え失せてしまいます。
 ひょっとすると神様は何もしないでいると不幸になるようにしているのかもしれません。だったら、もっと良くなろう、もっと良くしてあげようとする気持ちが必要で、それが次の幸せを呼ぶ原動力になります。その気持ちが向上心となり、廻り回って新しい幸せにつながります。

 企業も同じです。悪ければ悪いで誰のせいでもありません。自社の現状は過去からの結果です。その結果をよく理解した上で、新しい未来を作りあげるしか、新しい道はありません。まして、わが国の企業は今までどちらかというと量的な充足感が幸せの背景でしたが、これからは、質的な充足感を求めないと、海外企業にコストで負けて幸せになれる訳がありません。シアワセにも新陳代謝がある。そう思ったらいつも気を抜かずに前に進むしかありません。

 では、シアワセを掴む為には何が必要なのでしょうか。
 それは、良くしようとする気持ち、「創意」です。より良い環境を創造使用という、強い意志です。人間の身体も同じで、病気になったときなど、強く生きようという意志があれば快方に向かうのと一緒です。創意工夫する姿勢は、私達に何事にも勝るエネルギーを授けてくれる筈です。
 また、創意工夫とは、言い換えれば前向きな姿勢でもあります。第一、前向きでなければ新しいことを考えたりはしないでしょうし、新しくなる必要もありません。新しいことに挑戦する前向きな姿勢。これが今の企業に一番必要なものではないでしょうか。しかも、そのためにお金は要りません。只々、人の心が前向きになれば良いのです。企業をシアワセにする原動力が、本当は人の心の問題である事実。
 今、私達はもう一度そのことを再認識しようではありませんか。

 追伸:家庭での(私に対する)シアワセ感にも新陳代謝はあるようで・・・、ドキッ。