【Vol.16】多様化すること

 最近、シンポジウムなどに出ることがあります。先日は、異業種交流についてのシンポです。実に多彩な顔触れの先生方が集まり、一日目は4つの分科会があり、そのパネルディスカッション。翌日はそのコーディネータがパネラーとして壇上にあがるという構成でした。
 私は一日目には開放特許をテーマとして、コーディネータの役割。二日目は仕上げのパネラーとして参加したのです。このパネルディスカッションが、実に勉強になりました。私を除く3人のパネラー、そしてコーディネータの先生方は大変立派なご経歴の方々です。

 その中でもE女史のお話が、私にとって目からウロコだったのです。ディスカッションで私が、女性の役割について述べたときのことです。「女性がいる開発会議では、意見がよく出るような気がする」。「つまりそれは、女性が、女性の感性や視点で意見を言うからだ」。それに対して、女史は「その意見が女性という属性に依るものではないと思います」。「無意見が活性化したのは、参加者が無意識のうちに、開発会議の席に女性がいるという、多様性を受け入れたのではないでしょうか」。「多様性を受け入れたので、固定観念から脱して意見がよく出たのです。ですから、それは女性だからという問題ではないのです」。と、述べられたのです。
 私は「なるほど」と思いました。そうなんです。外国人が入ったりした、普段と違うメンバーで構成する開発会議は、異なる文化や違う習慣に触れながら、大いに盛り上がるものです。
 開発会議は、大いに多様化するのがいい。もっと言えば、何でも有りがいい。
 前向きな思考の本質は、多様性にある。シンポジウムの成果です。