【Vol.8】ニッポンチテキザイサンケントリヒキギョウキョウギカイ

 「日本知的財産権取引業協議会」。初仕事は、このスバラシイ名称を覚えることでした。

「初代会長は多喜さんしかおりません」などと言われて、つい受けたのはよいのですが、最初の挨拶でちゃんと言えるか心配でした。事務局のテクノマートさんも、まず名称をどうするかで苦労されたようです。
 ともあれ、設立総会を経て正式に任意団体としてのスタートを切ったわけですが、この協議会に寄せられた期待は大きいものと考えます。いつも申し上げるように、この国には数多くの知的財産が使われずに存在していて、その大切な経営資源をより多くの企業に使ってもらおうというのが、特許庁の重要施策です。そして、その知的財産権の流通を図る事業者が集い、お互いに協力・研鑽しようというのが、この協議会設立の目的です。
 私たちが目指すビジネス・プロデューサー・ネットワークの事業者団体版とも言えますが、その会長に命ぜられたのも何かのご縁でしょう。初代会長に相応しいかどうか、大いに疑問ではありますが、そこは、会員企業の皆さんが私の図々しさを見越してのことと、お引き受けした次第です。

 さて、会長になっていささか気になることがあります。それは、知的財産の流通事業が、右から左に大変儲かると思っている方がいることです。勿論、事業ですから利益を求めることは当たり前のことですが、その前提としての労力を考えているかどうか心配なのです。
 BP講座でもお話したように、知的財産の流通は企業を回り、ニーズとシーズを見極め、黒子に撤してマッチングする地味な作業です。要は「足で稼ぐ」ことが全てなのです。パーティーの席で「利益を出す努力を」と申し上げたとき、この協議会に参加されたBP講座のOBお二人が、大きく頷いてくれて嬉しく思いました。
新米会長も頑張りまっせ!